大三と秀子

以前にも書いたかもしれませんが
大三は肺がんで入院しました
そのことを本人には伝えませんでした
伝えなかった理由は高齢であること
体が小さく手術・投薬等の積極的な治療が
難しいという理由からです
病気はあっという間に進行しました
大三は自らのことを悟ったのでしょうか
秀子・私・幸代を枕元に呼びまして
秀子には
「先に逝っている あなたは体に気をつけて 達者に暮らしなさい」
幸代には
「今まで本当に世話になった よくしてくれてありがとう」
私には
「お母さんのことは頼んだ」
三者三様に言葉をかけ 数日後には意識が混濁
あっという間に逝ってしまいました
格好の良い父親だったと思います
嫌な言葉ではありますが 老醜を晒すことなく
逝ってしまいました


ある意味秀子は対極にあると思います
朗らかに暮らしております
自らの老いにも気がついていないのかもしれません
格好良くないかもしれませんが
長生きをするということは
本当に価値のあることだと思います


畢竟
家族を悲しませないことが
人として最も重要なことなのだと思います